ランニング技能向上
「より速く」「より美しく」「より楽しく」走るための科学と技術
走る科学
東海大学体育学部 教授 高野 進 監修
「走る」と「歩く」の違い
「歩く」は両足もしくは、常にどちらかの足が地面につきながら前に進む運動。
「走る」は、足で交互に力強く地面を踏み込んで、弾むように前に進む運動です。
ボールに例えると、「歩く」はゴロゴロと転がりながら移動するが、「走る」は前にバウンドしながら移動する運動。ボールに空気をパンパンに入れ、力強く地面に叩きつけることによって、より大きな弾みを引き出すことができます。
走ることがもたらす心身への効果
脳への効果
ランニングは物忘れ防止やモチベーション向上に効果があり、快適な気分と認知機能を高めることが科学的に証明されています。
体力の向上
心肺機能の強化、筋力アップ、体脂肪の減少など、全身の体力向上につながります。
メンタル強化
走ることを決めたとき、常に気持ちを高め、体のバランスを保ち、複雑な情報を感知しながら目的を達成する力が養われます。
学力との相関
海外の研究では、体力テストと学力との間に相関関係が見られたという結果も報告されています。
速く走るための3つの要素
体づくり
空気がパンパンに入ったボールのように、しっかりとした体幹と弾める筋力を作る
技能
地面からの反力を効率よく推進力に変換する「4・1ラン」走法を身につける
気持ち
走ろうと決めたとき、常に気持ちを高め、目的を達成するために集中する
「4・1ラン」走法
髙野進メソッドの核心
トップスピードに近づくにつれて接地時間が短くなるとともに、鉛直方向への力が増大します。速く走るためには、水平方向よりも鉛直方向への力発揮率の増大が必要です。
4・1ランのポイント
- 1接地する足を「1」の字にまっすぐ伸ばしてつく
- 4反対の足は「4の字」に曲げ、膝を前方に引き出す
- 上から叩く感じで走り、脚を固めて接地して強いバネを引き出す
- プッシュオフ直後に膝を前に出していく(挟み込み動作)
世界記録保持者ウサイン・ボルト選手も、この4・1ランの動作パターンで走っています。高い身体重心からの位置エネルギーを効率よく推進力に変換する走法は、体格に関係なく誰でも学ぶことができます。
走りをボールに例える
立つ
ボールに空気を入れる(体幹・筋力の土台づくり)
歩く
ボールを転がす(逆振り子の原理で効率的に移動)
走る
ボールを弾ませる(地面反力を使ったバウンド移動)
速く走る
スピンをかけて弾ませる(4・1ランで効率最大化)
子どもたちは成長とともにボールに空気が入るように筋力が発達し、やがて老化とともに空気が抜けるように弾めなくなります。走りの基本はボールに空気を入れることから始まり、弾ませ方を学ぶプロセスです。
ランニング技能検定
走力を客観的に測定・認定する独自の検定制度です。年齢やレベルに応じた段階的な目標設定により、日々の練習のモチベーション向上につなげます。
検定概要
種目
5m助走→20m区間走
評価
5級〜1級
対象
小学生〜一般
認定
ランニング技能検定委員会
ランニング技能検定を受けてみませんか?
各アカデミー拠点で定期的に実施しています
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検定内容
5m助走後、10m区間を膝関節を伸ばして乗り込むように接地する。接地の肩を落とし込み、地面に圧力をかけ、反発を受け取る。
評価ポイント
- 1.軽い前傾を維持しつつ姿勢は猫背にならず、接地足に乗り込んでいる(20点)
- 2.接地時には膝を伸ばして着地し、重心をしっかり乗せている(50点)
- 3.10m過ぎたところから遊脚のリラックスさせ、軽く膝を曲げて次の接地の準備をする(30点)
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検定内容
接地後の足離れをスムーズにするために、腕振りも「く→レ」のメリハリを付ける。体幹は腰をしっかり入れ、接地時に遊脚を支持脚に引き付ける。
評価ポイント
- 1.姿勢は猫背にならず、胸を起こして腰が入っている(20点)
- 2.接地時には膝を伸ばして着地し、重心をしっかり乗せている(40点)
- 3.遊脚は前半の10mは接地時に素速く挟み込むように引きつけ、10m過ぎたところから膝を曲げて次の接地の準備ができている(40点)
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検定内容
強い接地と前方向に身体を運ぶために、肩甲骨から「く→レ」で力強く腕を振る。接地時前半で大きな力を地面に伝える。
評価ポイント
- 1.姿勢は猫背にならず、胸を起こして腰が入っている(20点)
- 2.接地時には膝を伸ばして着地し、重心をしっかり乗せている(30点)
- 3.遊脚は前半の10mは接地時に素速く挟み込むように引きつけ、10m過ぎたところから膝を曲げて「4の字」を一瞬つくるように素速く引きつけ、高い位置から接地に向けて強く地面を踏み込み、力強い接地の準備ができている(50点)
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検定内容
スタンディング姿勢から約55°前傾で飛び出し、最初の2歩は足を回さず挟み込むように加速。8歩目まで前傾を意識する。
評価ポイント
- 1.接地→滞空の変化と前傾維持・最初の2歩は膝角度を固定して「7」の形・その後8歩間徐々に起き上がり前傾を維持
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検定内容
スタンディング姿勢から約45°〜50°前傾で飛び出し、2歩は挟み込み加速、8歩まで前傾。その後体を起こし四肢連動で合計20m走る。
評価ポイント
- 1.接地→滞空の変化と前傾維持・最初の2歩は膝角度を固定して「7」の形・その後遊脚を挟み込み「4」の形を作りながら8歩前傾を維持・四肢連動・前傾→直立への移行・接地/滞空・ストライド拡大を総合評価
スプリント分析アプリ
Sprint Analysis
スマートフォンで撮影した走りの動画をAIが分析し、ピッチ・ストライド・接地時間などを自動計測。 4・1ラン走法の習得度を可視化し、パーソナライズされたアドバイスを提供します。
動画解析
スマホで撮影した走りの動画をアップロードするだけで自動分析
技能評価
4・1ラン走法の各ポイントを数値化し、技能検定の級に対応した評価
改善提案
AIがあなたの走りの課題を特定し、具体的なドリルメニューを提案
